M1 iMacへの買い換え

2020年末に購入したM1チップ搭載のMacBook Proが快適だ。Xcodeを使ったアプリ開発やPremiereでの動画編集はもちろん、最近少しずつ増えてきたニューラルネットワークが内部的に使われているようなAIアプリのパフォーマンスにおいて、Intel搭載のiMacとは顕著な差があることを実感している。

早くiMacもApple Silicon搭載の27インチモデルが発売されないかとずっと待ってきたが、待ち続けているうちに2年が経過してしまった。2023年中には発売されるのではないかという噂もあったが、昨今のApple製品の値段設定を見ていると発売されてもかなり高価になりそうなこと、それを待つ間の作業今のiMacの作業効率で失う生産性のバランスを考えて、24インチモデルの現行iMacに買い換えることにした。

Apple Siliconが出た当初はDockerや音源プラグインなどで色々問題があったが、最近ではほとんど解消され、さらにはプログラムの最適化も進んでおり環境構築もかなりスムーズに終わった。環境が綺麗な状態で、パフォーマンスをテストしておこうと思う。

比較対象のマシンスペック

iMac 2021MacBook Pro 2020iMac 2017
CPUM1(8コア)M1(8コア)Core i5 3.4GHz (4コア)
メモリー16GB8GB40GB
OS13.2 Ventura12.0 Monterey12.0 Monterey
内臓ストレージSSD 1TBSSD 512GBFusion Drive 1TB
マシンスペック比較表

iMac 2017では外付けSSD(SANDISK SDSSDE80-500G-J25)を使って作業をしていた。今回は比較のために、iMac 2021でも内臓SSDを使った場合と外付けSSDを使った場合の両方でパフォーマンスを計測してみた。

なお、iMac 2021の内臓SSDと外付けSSDのストレージとしてのベンチマークの結果はこの通り。こうやって比較すると内臓SSDのパフォーマンスが圧倒的。とはいえ内臓SSDの容量には限界があるので、外付けSSDもうまく活用していきたい。

アプリのビルド時間

比較的コード量が多いTunacan 2とVSSRの二つのプロジェクトのビルド時間を比較してみた。iMac 2021のビルド速度はMBP 2020 / iMac 2017と比べて簡単に体感できるほど早い。MBP 2020では、Activity Monitorを見ているとメモリーのページングが発生していた。やはりメモリーは8GBでは不十分ということなのだろうが、最近のMacのメモリーは高い上に自分で増設できないのが辛いところ。ビルドキャッシュが内臓SSDの方に作られる設定になっていることとそもそもディスクI/OよりもCPUの性能の影響が大きいタスクだからか、内臓SSDと外付けSSDではほとんどパフォーマンスの差はなく、むしろ他のディスクI/Oとの兼ね合いなのか外付けSSDを使った方が僅かにパフォーマンスが良かった

動画のエクスポート

Adobe Premiere Proを使った動画のエクスポートも試してみた。H264 / 1280×720 / 14.5min / 800MBの下記の動画を4度エクスポートし、2回目~4回目のエクスポートにかかった時間を計測した。

M1搭載のiMac / MacBook Proでは内臓SSD / 外付けSSD関係なくほとんど差が出なかった。iMac 2017よりは速いが、正直なところ期待したほどiMac 2017より高速にならなかったという印象を持っている。

ハードウェア面

買い換えるに当たって最大の懸念は画面サイズが27インチから24インチに小さくなることだった。並べてみると確かに小さいのだが、思っていたほど小さくなったことによる不自由を感じる場面はない。

キーボードにTouch IDがついて、かなり色々と快適になった。スリープからの解除やインストールetc.のタイミングでパスワードを入力しなくて良いのは楽だ。

メモリーをあとから増設できなくなったこと、そしてメモリー増設オプションの値段が高いのは辛い。Activity Monitorを見ながら色々検証している限りでは、やはりメモリーは16GBないとパフォーマンス上のロスが発生してしまう。

システム面

DockerやHomebrew、Androidシミュレータなど開発で使うような各種システム、音楽制作に使うCubaseなどのDAWや各種音源・プラグインも今となってはほとんどがApple Siliconに対応しているため、環境移行での大きなトラブルはほぼゼロだった。

総評

Apple Silicon搭載の27インチiMacの登場を待てず買ってしまったが、性能的には期待した通り快適になって良かった。懸念していた画面の小ささも、実際に使ってみるとそこまで支障はない。ビルド時間など計測可能なところ以外でも、アプリのUIの動きや文字入力のちょっとしたラグなど、ちょっとしたストレスが随分と解消され、もっと早く買い替えておけば良かったとも思う。

ただ、値段に関してはやはりちょっと高いなという感覚がある。メモリー16GB + SSD 1TBの構成でApple Storeで定価で購入すると286,800円。物価高と円安の影響が大きいのだろうが、安くはないというか高い。検証した限りでは、内臓SSDと外付けSSDで実際の作業におけるパフォーマンスはそこまで差がなさそうなのでストレージは外付けSSDもうまく活用していくとしても、メモリーに関しては増設ができないのが辛い。

次に買い換えるタイミングではもう少し安くなっていて欲しいと願っている。

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