ARMベースのM1チップを搭載したMacが発売されたので、アプリの開発/動作確認用に1台購入した。幸い、Rosetta2の出来がよいようで、自分の出しているMacアプリは基本的にARMベースのMacでも無事に動くことが確認できた。アプリの動作確認ついでに、マシンのパフォーマンスがどれぐらいなのかテストしてみた。
比較対象のマシンスペック
MacBook Pro 2020 | MacBook Pro 2016 | iMac 2017 | |
CPU | M1(8コア) | Core i5 2.9GHz(2コア) | Core i5 3.4GHz (4コア) |
メモリー | 8GB | 8GB | 40GB |
OS | 11.0 Big Sur | 11.0 Big Sur | 10.15.7 Catalina |
iMacはDAWアプリなどの都合からBig Surにアップデートできなかったので、Catalinaを使っての計測。ソースコード/ビルドキャッシュなどは外付けSSD(SANDISK SDSSDE80-500G-J25)を使う設定で計測。
ストレージのパフォーマンスはこの通り。MacBook Proは2016年モデルでも十分ストレージの性能が高かったが、2020年モデルはWRITEの性能がかなり向上している。iMacはFusion Driveモデルのため、今回の検証には外付けSSD(SANDISK SDSSDE80-500G-J25)を使用したが、MacBook Proの内蔵SSDに比べるとREADもWRITEもパフォーマンスは低く、半分程度のスコアしか出ていない。
アプリのビルド時間
比較的コード量が多いTunacanと字幕スタジオ将軍の二つのプロジェクトのビルド時間を比較してみた。すぐに体感できるほど、非常に速い。初めてデュアルコアのMacを導入した時と同じような衝撃を受けた。iMacよりも速いのは意外だった。
動画のエクスポート
Adobe Premiere Proを使った動画のエクスポートも試してみた。Adobe Premiere Proはまだユニバーサル化されていないため、Rosetta2を使っての実行となる。検証に使った素材は60秒尺の下記の動画の元プロジェクト。H265で、ハードウェアエンコーディングを有効にしてテストした。
こちらはiMacと同じようなパフォーマンスとなった。ハードウェアエンコーディングの部分はRosettaの影響をあまり受けないのかもしれないが、PremiereのARMサポートでこれがどうなるか楽しみだ。
ハードウェア面
2016年モデル(初代 Touch Bar搭載モデル)はエスケープキーがTouch Barに一体化されてしまっているのが不便だったのだが、今回のモデルではEscapeキーが物理的に独立したのが嬉しい。キーボードのタッチは若干今までのモデルよりも深くなり、打鍵感はよくなったと思う。それ以外の点は今までのモデルと基本変わらない様子。買ってから気がついたが、M1チップ搭載のMacBookProは、USBポートが2つしかない。4つ搭載はなぜかIntelモデルに限定されているようだ。2つでもなんとかなるとは思うが、両側にUSBポートがあるのは何かと便利だったので少し残念だ。
システム面
DockerやHomebrewなど、11月19日現在まだARMプロセッサに対応していないシステム・アプリが多数存在する。対応するのは時間の問題だとは思うが、まだ開発をこれ一台にするには若干不安がある。
総評
デュアルコアMacを初めて導入した時以来、久しぶりに衝撃的なパフォーマンスを実感している。HomebrewやDockerの対応が楽しみ。加えて、今後出るであろうiMacも既に楽しみだ。